2011年3月5日土曜日

未来を予測するハーモニックパターンは使えるか

FXのトレードにおいて予測はある程度可能である場合があります。「未来」というキーワードはとても魅力的で、このワードを含んだFX関連の情報を検索した人も多いと思います。例えば、未来 + テクニカル分析などといったものです。^^

このように検索した人は、全てのテクニカル分析は所詮現在動いている価格の動きを過去のデータを元に分析しているに過ぎない事に気づいたからで、それらのツールによるエントリーサインが未来の動きを予測していないからだとようやく分かったからでしょう。冷静になると分かるはずですが、負けているときはついつい未来分析ツールが存在しないかと思ってしまいます。

未来についてどうなるかは誰にも分かりませんが、確率的にこうなるという予測は立てることができます。極端な例で説明すると分かるはずです。例えば、トレンドが発生します。ここで私は予測します。そのトレンドはいつかは終わるでしょうと。当たり前でバカバカしいですが、詳細に触れつつきちんとした説明が加わったらどうでしょうか。「それは過去のデータや相場の動きの傾向、集団心理などを考えれば、この辺りでトレンドの勢いも収まるでしょう。比較的確率の高い分析ですので、信頼性もあると思います。」という風に答えるなら、漠然的にもなんとなく納得するはずです。

相場を予測する時にはそういった基本的知識と分析作業が必要で、必ずしも未来を見ることにはなりませんが、当たる確率の高い予測をいくつか立てられると思います。所詮FXなどの投資は確率に基くものです。そして、高確率に基くトレード方法が王道であるんです。

私も一時期ある種のプライスフォーメーションについてちょっと学んでいた時がありました。ハーモニックパターンと呼ばれるものです。フィボナッチリトレースメントの黄金比を用いています。今となっては相場をロジックで分析するのでそういう根拠のないものは無視していますが、当時としてはとても興味深く見ていました。あのトレード手法は価格の位置がココとココとあそこに位置した場合これこれの形を取るだろうというもので、何の根拠もありません。相場がフィボナッチリトレースメントと仲良しという理由はないのです。

仮に確率が高いというだけでトレードロジックを無視してやれば結果はある程度出せるかもしれません。でも厄介なのがとことんダマシを追求した時にぶつかる壁でしょう。フィボナッチリトレースメントを表示させてどのレベルで反発するか予測できる人は偶然にしか当たりません。英語ではSubjectiveなツールとして認識されていますので、エントリーサインなどに使いません。この辺が日本人のトレーダーの間ではどれほどの理解があるかは分かりませんが、よく考えずにツールを使っている人が多いような印象がありますね。

ポジション取った瞬間に逆走するのは何故か

買いであっても売りであっても、ポジションを取るのには理由があるはずです。知りながら理由なしにポジションを取っている人はFXでギャンブルをしているだけです。或いは、理由が曖昧なままポジション取りをしている人の場合は、知らずにギャンブルをしています。

普通のトレーダーならとりあえず学習した知識を生かしてポジションをと取りにいきます。なぜココで「買い」や「売り」かは個人の意見と分析の違いによりますが、とにかく何らかの理由があるからでしょう。そしてその理由は予測と関連しています。買いで入った場合、チャート上でアップトレンドかもしくは一時的にでも上昇の動きを期待したからですね。

その期待に裏切られて逆走していくのは読みが甘かったという直接的な原因があります。ちなみにアクシデント的にポジション取りした場合を除いては、これは偶然ではなく必然です。勝とうが負けようがポジションを取るという行為だけは必然なのです。ということは、全てのトレーダーがポジションを取るというプロセスを通った後に価格の上昇や下落が起こりますので相場全体が必然的に動いているのです。

つまり、ポジションを取った時点で勝ち負けの必然性があります。ですから、取ってしまった後に対処する唯一の手段が損切りや僅かな利益が出たところでの逃げ切りしかありません。そのまま放置しておいたら完全に大損するわけです。

私も他のトレーダーと同じような経験をしました。何十回も同じ事をやらかしました。損するのが嫌で損切りを粘ってより深い傷を負ったところで損切り。まさにこれこそが本当の「損」です。読みが外れた時の唯一の手段なのにそれを出し惜しみするとお金だけではなく、トレードの戦略的にも損してしまいます。

では何故そうもタイミングよくポジション取るたびに逆走して損切りばかりのトレードになるのでしょう?私は負けがひどかった時などはとても不思議に思うぐらいでした。結局上るか下がるかの5割の確率ならもうちょっと勝ってもおかしくないはずだと思っていました。良い例えかはわかりませんが、例えるなら真剣勝負のジャンケンで50連敗したような惨めさでした。^^;

ところで、勝ち負けは一見5割のような確率ですが実は全然違います。なぜならポジションをホールドしている時間によって利益か損かになる要素があるからです。もう少し待っておけば利益になった事は多いはずです。ロスカットに耐える時間や証拠金がもう少しあれば利益が出せていた、或いは、損切り設定を甘くしておけば利益で終わっていたなどなど。ポジションを取って2秒後の確率もあれば、1時間後の確率もありますし、損切り設定によって勝ち負けの確率も変わってきます。要するに、いろんな要素があるので5割より遥かに低い数字になります。あらゆる要素を排除して純粋にコインの裏か表かだけを見れば当然5割でFXの勝ち組は5割になっているでしょう。つまり、FXでは負ける確率が高いのです。ですから逆走する事は良くあることですし、それで初心者のうちは最初に損切りなどの資金管理から学ぶ方が為になるのです。

ポジションを取った瞬間から逆走する理由は分かったと思います。では、それに対処するには損切り以外にないでしょうか?実はあります。それは、単にじっくりと相場を分析する事の必要さと相場分析力です。これを特定のテクニカル分析とその独自のルールによっても良い成績を出すことができますが、とにもかくにも相場で利益を得るチャンスというのは確実に5割以下で、私の感じるところ3割くらいではないかと思います。そもそもそれぐらいのチャンスしかないわけですから、すぐポジションを取らずにじっくり見極める事が必要で、尚且つ損切りの設定もしっかりするべきです。私自身よく自分に「もう5pips待て」と言聞かせますが、やはりポジション取りが早すぎる事もあります。チャンスを失って損するよりも変な所でポジションを掴んだ方が遥かに損します。良く覚えておきましょう。

2011年3月1日火曜日

主婦とFXと副収入

だいぶ前からFXはネットで副収入をゲットできるお小遣い稼ぎの一つとして注目されていますが、さらにその前のアフィリエイトと同様、その広告バナーなどのアピールが大げさであります。「簡単に儲かる」というのは、誰にとってそうなのかという事実を含んでいません。結論として、経験のある人にとって今では簡単なのであって、最初から特に研究しないで儲けているわけではないのです。努力などは常に必要なわけですね。

FXやアフィリエイトなどは特に主婦層などにとっては大変助かる収入源でしょう。しかし、アフィリエイトはクリエイティビティーなどの独創的な感性やアイデアも成功のカギとなるので、FXとはかなり違いがあります。FXの場合はもっと複雑で、取引に関する知識や勘を身につけるのには多少時間が掛かります。

金回りの良さは投資以外で世界にないのではないでしょうか。単価の低いものを1日に5000個売るよりも、1回の取引で利益が1万円、しかもそれが直接収入になるほうが遥かに勝っています。そういう部分が投資の魅力でもありますが、ここには大きな危険性も潜んでいます。

FXの学習において最初の項目となるのがこのリスク管理、マネーマネージメントです。それにまつわる心理学的なアドバイスもよく見られるほどです。投資で成功している人も失敗している人も、この正解で役に立つ知識といえば、このマネーマネージメントでしょう。いかにコントロールするかは意外にも難しいのです。

家計のやりくりをしている主婦ならマネーマネージメントの基礎はあるかもしれません。でもFXの世界の厳しさは体験してみないと分からないのが現実だと思います。最初の頃だと、どんなにリスクを抑えてやるべきか分かっていても、収入源となる為のリスクを負わなければ稼げない事に気づくと、ちょっとした勝負にでるはずです。そしてそこで負けると冷静さを失うのです。1週間分の勝ちを1日でダメにする事などは、殆どの人が経験する事です。例えこのブログを今読んでいてその準備をしていてもそうなる可能性は高いのです。

そういうリスクとどう向かっていくか、一番の良い方法があります。それは、バーチャルFXやデモトレードでゆっくりと時間をかけて経験を積んでいく学習です。ここで真剣に取り組んでやってみれば、その経験が実際の取引の時に役に立ちます。目標の副収入の金額を定めて、毎日コンスタントに稼げるかいろんなトレード方法を試してみる事をおすすめします。プランを立ててみましょう。


目標収入: 毎月数万円

トレードに費やす時間: 最低2時間

投資に使う資金: 30~50万

上のプランはかなり現実的です。しかし、毎日2時間だけで毎月数万稼げるようになるには、きちんとしたトレードスタイルの確立が必要です。これはあくまでもしっかり学習してから現実的になります。

ここまで読めば、「FXは簡単」というのがダイエットの宣伝のようなものだと言うのがわかるはずです。可能性は秘めています。でもそれを殺すか生かすかは努力次第なのです。車の運転と同様に、最初の頃は仮免許でも落ちてしまいます。でも一旦慣れると割と簡単に思えてくるのです。FXで成功するには最低でも1年くらいは必要だと思います。

2011年2月28日月曜日

ファンダメンタルズは重視しないのが基本

ファンダメンタルズを重視してトレードできるプロの集団は相場を動かす力のある機関投資家達です。元ディーラーでかなりの経験がない限り、個人のプロでもおいしいインサイド情報はゲット出来ないかも知れません。

ファンダメンタルズが相場を動かすほぼ直接的な原因となっているのにも関わらず、それを重視しないのが基本的な姿勢です。矛盾しているようですが、アナリストの予想が外れる事が多いのは、ファンダメンタルズだけの予測は、投資のプロ集団のような企業でないと一般的に難しいからです。一個人の中途半端なアナリストだと予測が外れるのは世界どこでも共通です。アメリカで知られている某アナリストも予想がよく外れるというので、「彼の予想の逆張りがエントリーサイン」だとジョークであしらっている始末です。

ファンダメンタルズを分析して相場に挑むよりも、チャート上で価格の動きを分析した方が直接的で分かりやすい場合が殆どです。チャート上に表れる価格の動きは需要と供給の動きなので、それだけを追った方が迷いもなくなります。ただし、アメリカの重要な経済指標で大きく数字が変化する時は注意が必要だと思います。アメリカの経済指標は、直接ドル高・ドル安になりやすいからです。全ての経済指標の数字をチェックしてする必要はありません。

指標スキャルというトレード方法もかなりギャンブル的なので、控えた方が良いのが手堅いトレードになりますが、反発狙いやストレートに影響してくる指標を選んだ方が無難でしょう。一般的には雇用統計を筆頭に、FOMCの声明、貿易収支やGDPなどが重要な指標です。その他の国の金利政策なども相場を大きく動かすのでトレード自体を避けるか、相場と数字をきっちりと確認してから反発狙いのスキャルピングをする方が賢いといえます。

2011年2月27日日曜日

移動平均線が支持線・抵抗線として機能する理由

移動平均線すら使わないでトレードするトレーダーも中にはいて、彼らはプライスアクショントレーダーなのですが、私は移動平均線は必ず表示するようにしています。移動平均線は価格の平均値を線にしてチャートに示してあるので視覚的にとても便利ですね。価格がその平均値を上回るか下回るかが常にポイントとなっていますね。これらは一見すると支持線・抵抗線のような機能も果たしています。或いは、トレンド発生のポイントとなるクロスもよい参考となります。これらは必ずしもエントリーサインではないものの、一つの目安になると思います。

ところで、クロスについては前の記事で解説したとおりですが、(クロスの秘密)それでは移動平均線の支持線・抵抗線のような働きのロジックはなんでしょう?多くの集団が移動平均線を見て支持線・抵抗線の価格レベルに目をつけると思いますか?

仮にそうだとして、具体的にどういう風な仕組みなんでしょう?実は、移動平均線自体にそういう機能を持っていません。ですから集団心理と考えるのは悪い選択肢ではないのですが、移動平均線は本来支持線・抵抗線のツールではありませんので、その基準がありません。

ボリンジャーバンドでトレードをする人は分かりますが、ボリンジャーバンドのミドルバンドはよく支持線・抵抗線である事が視覚的に確認できます。それを元にトレードしても成功する事はもちろんあります。例えば、価格がσ1付近を移動している場合だと、ミドルラインが支持線になっているアップトレンド中のパターンです。ですからよく押し目買い・戻り売りのポイントとして知られています。

ボリンジャーバンドのミドルバンドは移動平均線ですね。普通は20のSMAです。これはパラメーターが単に適切(多少の関係性あり)である為に支持線・抵抗線として機能するわけでもありません。実際、殆ど無視してもOKなほどダマシの回数も多いですね。良く使われるパラメーターは20、21,25,50,75,100,200ですが、確かにこれらは中途半端な数値のパラメーターよりは正確です。(例えば11,19,37,91,117,237 などなど適当に・・)そういうのは経験者が過去のデータから発見したものですから確率としては無視できません。

さて、移動平均線が支持線・抵抗線の機能を持つ場合のプライスアクションのロジックはこうです。価格が律儀に移動平均線に沿って反発するパターンは、押し目買い・戻り売りでよく見かけます。はっきり言ってこれ以外で移動平均線が支持線・抵抗線の機能を果たす場合は偶然性が多いでしょう。なぜなら、押し目買い・戻り売りはトレンド中の価格の動き限定だからです。そして、トレンド中の価格の動きは安値の切りあがり・高値の切り下がりというパターンがあり、そのパターンが偶然にも移動平均線に支持線・抵抗線の機能を与えているのです。

*パターンの発生は偶然ですが、パターンが確認された後の価格の動きとパターンが続行している間は必然性の可能性があるわけです。つまり、価格の動きに必然性があるという事です。これがプライスアクショントレードの基本です。

さて、トレンドというパターンの価格の動きには高値・安値の更新が原因ですが、実はこれが移動平均線の支持線・抵抗線の機能の正体です。前の記事にも書いたように、長期投資家によるポジションの保有期間の間がトレンドの期間である原因となっていて、彼らがポジションを決済すればトレンドの終了という場合が多くあります。デイトレーダー達は売買の期間が短いのでチャート上でリトレースメントを作ります。これは決済が交互に行われていて価格が元に戻ろうとするものですよね。

ところがスイングトレードをする機関投資家などの長期投資家はポジションを持ったままですので、彼らが持っている分は決済がない為に価格は戻りません。これがトレンドを支える要因となっています。それが偶然にも適切な数値によるパラメーターと合った場合、移動平均線が支持線・抵抗線の働きをするわけです。

偶然にパラメーターがその時の相場の動き(一時的な必然性のある価格の動き)と重なった場合に移動平均線の支持線・抵抗線が見られるわけです。

パラメーターについて

視覚的に価格との位置関係をよく観察しているとある種のパターンなども発見できます。これは人によって違いますが、その理由は使っているパラメーターや見ている時間足チャートが違うからでしょう。或いは移動平均線そのものがEMAやWMAであったりします。

*単純移動平均と加重移動平均(WMA)と指数移動平均(EMA)の3種類があります。

単純移動平均は単にパラメーターの数値による個数のロウソクの平均をとったもので、計算する全てのロウソクを平均化したものです。過去のロウソクと現在のロウソク全てを平均的に捉えますから若干遅く反応するわけです。

これを克服したのがWMAとEMAです。WMAは、現在に近いロウソクが過去のデータ(ロウソク)より重要と考えて平均をとったもので、最も過去のデータは考慮しないようになっています。これと似ていますが、EMAも現在を重視して過去のデータの平均を取っています。EMAの方は全てのロウソクを考慮する部分が違っています。実際にチャート上で見ると分かりますが、価格に敏感に反応するのはWMAとEMAです。ちなみにこれらのクロスの方がSMAより早いエントリーサインが確認できます。

FX関連の本や成功者のトレード手法、その他の情報源で知っていると思いますが、良く使われる移動平均線のパラメーターの数値は利用価値があります。しかし、どれがベストであるかは一概に言えません。結局、その時の相場の動きに適したパラメーターをチョイスする方がベストの使い方で、これはインジケーターの最適化の記事で紹介したロジックと同じです。*その記事では主に使う時間足チャートによってパラメーターを変えるという内容。

あるトレーダーはちょっと変わった数値を用いてエントリーサイトして使っています。彼はそれでも結構稼いだトレーダーですが、それは彼がその数値による移動平均線に慣れているからでしょう。私はEMAを使っていて、使っている数値よって描かれる線と価格の位置関係を見るのに慣れたので、別のパラメーターで相場を分析するとちょっと戸惑ってしまいます。視点が違うので違和感がありますね。

トレードスタイルがスキャルピングなら、4時間足チャートはそれ程使わないでしょう。ですから、チャートによって移動平均線のパラメーターも選んだ方が適切だと思います。そのほかには、どういう目的で移動平均線を使うか(エントリー用、トレンド確認用)によってもパラメーターの数値が異なると思います。