テクニカル分析のロジック
テクニカル分析のロジックは初心者にとってはあまり気づかないものです。なぜゴールデンクロスやデッドクロスがエントリーサインなのか知っていますか?
殆どのテクニカル分析が価格のある平均値を元にしています。そして価格が平均値を超えた時に、オシレーター系のテクニカル分析なら、買われすぎ・売られすぎの判断をします。トレンド系のテクニカル分析なら、価格が平均値を超えたところがトレンド発生の初期のシグナルとして捉えるでしょう。つまり、価格が平均値を超えるという動きを元にしてテクニカル分析は相場を評価しているのです。
ゴールデンクロスはパラメーターの違う二つの線(一つは早く、もう一つは遅い)を通常使って、早い方の平均値が上って上昇した所に遅い方の線にぶつかるポイントを描きます。デッドクロスはその逆です。単に早い方の線の動きだけでもトレンド発生のポイントを見ることができますが、遅い方の線とのクロスで精度を高める為に使われます。どうしてそうなるかというと、早い方は価格の動きに敏感すぎるからで、それを遅い方の線でも確認した方が確率が高いという理論です。(実際にはクロスする現象自体はあまり意味を持たない)ですからクロスのポイントはある程度のバランスが取れたポイントになっています。(設定によってはダマシ回避目的の為として、クロスを遅くしたりも可能)
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MACDのオリジナルの設定では、ゴールデンクロスは若干遅いものになっていますので、早い段階でのトレンドに乗ることはあまりありません。しかし、価格が平均値を超えたからといってそれがトレンドとは限りませんし、早すぎて痛い目に合わないようなトレードをしたいならMACDはとっても便利です。弱点としては、トレンドの中期ぐらいにしか波に乗れないため、トレンドが強いものなら波乗りの時間も長くなり利益も大きいものとなりますが、小さいトレンドだと危険性もあります。
そもそもトレンドが始まってそれが大きなものになるかどうかはテクニカル分析では分からないので、どうせならすべてのトレンドは強いのもであると仮定して、MACDにたよって安全な波乗りを狙う事も一つのトレード方法だといえます。でも単に大きなロウソクが出現したからといってそれがトレンドの初期とは限りません。ですから、その後にも相場がそのロウソクの影響を受けているかを判断する必要があり、MACDなどで見られるゴールデンクロスはそれも配慮しています。
オシレーター系のテクニカル分析は、平均値を元にしてある数値や%を超えたら買われすぎ・売られすぎだと評価します。典型的な弱点は、トレンド中のシグナルです。トレンド中というのは常に価格が平均値を超え続けているので、オシレーター系のテクニカル分析は役に立ちません。ダイバージェンスのサインを見極めるのも一つの使い方です。
テクニカル分析とインジケーターのパラメーターの設定次第では、相場のいろんな局面において役に立ちます。なにも手を加えないで使うと、そのパラメーターの設定でしか通用しない相場の局面のみとなってしまいます。パラメーターの設定を変更する事によって、より敏感に反応させるかダマシ回避の目的で遅く反応させるかのオプションを選択できます。
ストキャスティックスなら、5,3,3や10,3,3或いは14,3,3がポピュラーで、相場がゆったりな時ほど5や10にします。RSIなどでも、数字を小さくすると同じように敏感に反応させる事ができます。なぜ敏感になるかというと、注目しているロウソクの数がすくないからです。移動平均線も同様に、20と100ならかなり違って見えますね。20なら価格の動きについて行っていますが、100はかなり遅いです。移動平均線は、単純とエクスパンションの2種類がありますが、単純の方が遅く反応するタイプでダマシ回避に使われますがクロスも遅くなります。
反応を早くする方が良いか遅くする方が良いかの選択ですが、どちらも弱点があります。しかし、どちらもおいしい所だけをとるやり方があります。それは相場の状況によってパラメーターを変えれば良いのです。相場がゆったりなら、早く反応させるとエントリータイミングが修正され、動きの荒い相場ならダマシ回避の為にパラメーターを遅くすれば良いのです。どの数字が良いかは、相場の動き次第だという事になりますが、検証してみるしか方法がありません。しかも相場の動き具合にたいして明確な数字を設定するわけですが、経験と慣れが必要になります。
色々なテクニカル分析の中で一つだけかなりユニークなものがあります。一目均衡表です。これだけはそれ程パラメーターをいじらないでも使えるようです。但し、下が1時間足チャートで、4時間足や日足をベースとした方が良く、スイングトレード向けであります。